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2010
02
14

高速戦艦「なのは」建艦計画・其の零

20100131 tundrache presents


『白い悪魔と呼ばれた戦艦・その伝説のはじまりの物語』


「悪魔で、いいよ」(第3次シチリア沖夜戦における戦艦「なのは」艦橋での呟きより)



誰もがその蜂起を予想し得なかった。

1942年1月―

世界は二つの陣営に分かれた戦いの煉獄の最中にあり、各国政府は有効な対処が出来ぬままに、事態は進行した。
突如蜂起した東インド総督による独立宣言と、周辺海域の封鎖通告。
謎の巡洋戦艦の東シナ海通商破壊。

―それを人は、「プレシア事件」と呼んだ。


一進一退が続く地中海を巡る戦いに、その補給線を脅かされる事態を重く受けた大日本帝国海軍であったが、
プレシア事件鎮圧の為に派遣された戦力は、非常に限られたものとなった。
ならざるを得なかった。
本来であれば「大和」や「長門」を中心とする主力戦艦を投入するべきであったが、局地紛争の鎮圧という甘い認識と周辺地域及びフランス植民地に対する配慮、及びハワイ真珠湾に展開し、怪しげな偵察行動を繰り返す合衆国艦隊に対する牽制から、大規模艦隊の派遣は見送られたのである。

派遣された艦隊の旗艦は英国艦に置かれたが、戦艦の不足を痛感。火力支援のため、地中海へ向けて出撃準備中だった戦艦「榛名」が同行を指示されることとなった。

このとき、後に「榛名」の別名を世界的に有名にする手違いが起こった。
本来の派遣艦隊のリストは既に帝国海軍から手渡されていたが、急遽同行した「榛名」はリストになかったのである。
派遣艦隊の英国海軍参謀は日本留学経験があった為、やむなく艦名を艦尾の艦名板から勝手に読み取ってリストを作ったが、つい癖で左から右へ艦名を読んでしまった。
しかも、「る」と「の」を読み違えたのである。
結果、「はるな」は「なのは」とリストに追加され、両国海軍首脳は「そんなフネ出したっけか?」と以後通信に現れる不可思議な存在に頭を悩ませることとなった。

しかも、当の「榛名」乗組員たちはその名前を異常に気に入り、公言し始めた。
地中海用に試験的に「榛名」は通常よりも明るい灰色、見ようによっては白に見えるくらいの迷彩を施していた。後に枢軸側から「白い悪魔」と呼ばれた戦艦「なのは」の伝説は、ここから始まったのだ。


英日合同の艦隊を派遣すれば、鎧袖一触―
という当初の楽観的な予定とは異なり、神出鬼没に暴れまわる巡洋戦艦「デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン」の高速性能に翻弄され、鎮圧艦隊は有効な対処がとれないままにいたずらに時間だけが過ぎてしまった。が、作戦命令を無視し、突如「不関旗」を掲げて独自行動をとった「なのは」は、その高速を活かしてただ一艦、その敵艦を捕捉することに成功する。


そして、ついに「なのは」と「デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン」の一騎打ちが実現する。
戦いの寸前、「なのは」は発光信号を送った。

「ぶつかり合うのは仕方のないことかもしれないけれど、何もわからないままぶつかり合うのは嫌だ! 貴艦名知ラセ」と。

それに対し、当時「デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン」と呼ばれたはずのフネは、ただ一言、

「フェイト」と返信した。



当初、長距離からの38サンチ主砲による砲撃と、33ノットの高速を利した「フェイト」はその建艦目的に合致するように「なのは」を圧倒するが、次第に相手の戦い方を掴んだ「なのは」は捨て身の近接砲撃戦を挑み、白昼零距離での壮絶な全力全開の殴り合いの末、ついに「フェイト」を撃破する。その36サンチ主砲を6門吹き飛ばされながらも、「フェイト」の全主砲を使用不能にした「なのは」は、残り2門の主砲を至近距離から突き付けることで、とどめをさせる状況であったにも関わらずこう通信したという。



「これ以上の戦いは無用。『フェイト』と友達になりたいの。我、帝国海軍戦艦『なのは』」
「なのは……」


こうして「フェイト」は洋上降伏し、二隻は仲良く並んで日本本土を目指すこととなった。その損傷を修復し、さらなる戦いに備えるために。


そして……
修復なった「なのは」は、「レパルス」や「フェイト」と同じように6門艦となっていた。
吹き飛ばされた主砲は、40サンチ砲に換装、装甲と装備を一新した大規模改装後のそのフネは、恐るべき遠距離砲撃力を備えていた。
そして、「フェイト」は自由英国王室海軍の所属となり、さらに磨きのかかった高速性能と高初速長砲身の38サンチ主砲を、誇らしげにかざしていた。

巡洋戦艦「なのは」と「フェイト」。
両艦は轡を並べ、枢軸国との戦いに身を投じてゆくことになる―

これは、その二人が出会った、最初の物語。




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